予防・ワクチン

PREVENTION

予防の大切さ

予防は大切な家族である動物を、ウィルス、フィラリアなど様々な内部寄生虫、ノミマダニなどの外敵から守るためのものです。
近年、マダニを介して動物に伝染したSFTSウィルスが、動物から人へ感染したとの報告もあります。
このような人獣共通感染症から守るためにも、とても重要と考えています。
また、ワクチンは副作用が起きることもありますので、必要となるワクチンの種類や、接種タイミングなどは抗体検査なども取り入れながら、ご提案をいたします。

ワクチン接種

ワクチン接種の目的は、感染症からペットの体を守る免疫を作ることです。免疫を獲得できれば、病原菌が侵入しても、発症や重症化の予防が期待できます。
ワクチン接種は、家族の一員であるワンちゃんやネコちゃんを守る以外に、他の子に感染を広めないという観点からも非常に有益です。
例として、現在の日本国内で狂犬病の脅威が及んでいない理由は、狂犬病ワクチン接種が法律で義務付けられているからです。
定期的なワクチン接種をぜひご利用ください。

犬のワクチン

ワクチンの効果を発揮するには、接種のタイミングが重要です。子犬は、生まれた時に親からもらった抗体(移行抗体)がしばらく残っています。その抗体が消失するタイミングこそ、ワクチン接種に適しています。
しかし、ペットの健康状態や体質によっては、接種後に副作用が出る可能性もあり、十分な免疫反応を得られないケースも考えられます。そのため、ワクチン接種前には当クリニックでの健康チェックが必要です。

当院で取り扱っているワクチン

狂犬病ワクチン
狂犬病は非常に危険な伝染病であり、ほ乳類全般に感染する可能性があります。この病気は人畜共通感染症であり、感染による死亡率はほぼ100%です。日本国内での発症や感染拡大を防ぐ目的として、犬は生後90日以上から狂犬病ワクチン接種と市への登録が法律で義務付けられています。その後も年に1回接種しなければなりません。
混合ワクチン
混合ワクチンは任意接種ですが、高い死亡率や後遺症が残る病気に対する予防効果が期待でき、年1回の接種が推奨されています。最初の年は接種するタイミングやワクチンの種類により、必要な接種回数が異なります。シニア犬やワクチンに対するアレルギー反応が疑われる場合は、抗アレルギー薬の投与や抗体検査を行い、適切な対策を講じます。

猫のワクチン

ネコちゃんのワクチンは3種混合を取り扱っております。子猫は生後60日および生後90日に合計2回の接種が必要です。成猫になってからも、基本的には年1回の追加接種が推奨されています。
当クリニックでは、猫の生活条件・環境に合わせて、適切なワクチンをご提案いたしますので、気になることは何でもご相談ください。

当院で取り扱っているワクチン

混合ワクチン
混合ワクチンは任意接種ですが、ウイルス性鼻気管炎、パルボウイルス、カリシウイルスといった病気の発症や重症化の予防に効果的です。

フィラリア症予防

フィラリアはワンちゃんを宿主として、蚊を介して感染する寄生虫です。
心臓や肺動脈に寄生すると、重篤な症状を引き起こす恐れがあります。発症後は治療が難しく、予防が重要です。
動物病院で処方された薬を定期的に投与することで、フィラリア症を予防することができます。

猫のフィラリアにも注意

フィラリア症はワンちゃんだけでなく、ネコちゃんにも寄生するリスクがあります。発症後の主な症状は呼吸器系であり、感染初期には嘔吐や呼吸困難、後期には急性肺障害や突然死なども報告されています。
全国平均で約10%、関東地方では約5%のネコちゃんが感染しているといわれています。

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニは、吸血や痒みを引き起こす以外にも、ヒトやペットに多くの病気をもたらす原因になります。なかには命にかかわる病気もあり、的確な予防が重要です。

ノミ

ノミは繁殖力が非常に高く、家の中に侵入し、室内で大発生する恐れもあります。
特に室温が18℃以上であれば、ノミは成長して繁殖を続け、人間にまで被害を及ぼすのです。

マダニ

マダニは背の低い草木に付着しており、ワンちゃんのお散歩中に寄生する可能性があります。
吸血前と比べ、体重が約100倍に増加するほど、大量の血を吸うことが特徴です。
近年、マダニを介して動物に伝染したSFTSウィルスが、動物から人へ感染したとの報告もあります。
散歩の際に気をつけていたとしても、防ぎきることが難しいものなので、薬によるしっかりとした予防が必要です。